好きなミステリのショートショートを楽しみながら、英単語をたくさん覚えられたら……
そんな願望を叶えるような本が、2021年3月に出版されました。
一通り読んでみたので、その英単語帳をご紹介します。
「5分後に意外な結末」シリーズ原案だから、読んで面白い
この本に収められている英文の原案に携わっているのは、桃戸ハルさん。
シリーズ累計330万部突破の「5分後に意外な結末」シリーズの編著者で、『ミステリ仕掛けの英単語』に収録の44作のショートショートは、『5秒後に意外な結末 パンドラの赤い箱』『ミノタウロスの青い迷宮』『アポロンの黄色い太陽』(学研プラス)に基づいています。
英訳は、TOEIC、英検をはじめとする英語の資格試験から、中学英語、高校英語、英会話、ビジネス英語まで、英語教材全般の制作を幅広く行うメディアビーコンさんが行っています。
物語パートで使われている英文はそんなに難しくはない文章であり、和訳も掲載されているので、物語だけ読んでも楽しめると思います。
単語のレベルは中学卒業レベルから英検準1級以上の単語まで幅広く
44作の物語パートの後にはそれぞれ単語帳パートが続きます。
物語に登場した英単語がピックアップされ、日本語の意味や関連表現などが紹介されており、【虫眼鏡マーク】の数で単語の重要度を表されています。
これらの単語を使った例文も掲載されていますが、いずれも「ちょっとミステリな例文」。
例えば、最初の単語はreportですが、その例文は、
There was an anonymous phone call reporting the whereabouts of a wanted fugitive.
逃亡中の指名手配犯の居場所を知らせる匿名の電話があった。
このようなミステリアスな例文も並記した英単語が779、この本には収録されています。
物語と英単語は音声でも聴取できる
この本に掲載されている英語の物語と単語は、音声でも聴けます。
スマートフォン(iPhone、Android)などのアプリで聴く方法と、パソコンで聴く方法が本書に掲載されており、本書を持っていれば無料で聴取できます。
音声ナレーションは、Dominic Allenさん、Carolyn Millerさん、水原英里さん。
物語パートの英文と単語帳パートの英単語を、DominicさんとCarolynさんがほぼ交互に朗読されており、単語の意味は水原さんが説明されています。
うん?! Carolyn Millerさん!!
「遠山顕の英会話楽習」でお馴染みのCarolynさんも朗読されているということで、私も朗読を堪能しました。
音声の配信は予告なく終了することがあるようなので、予めご了承ください。
1週間3レッスンだから3年半続きました ー NHKラジオ 遠山顕の英会話楽習
2018年4月に開講のNHKラジオの英語講座「遠山顕の英会話楽習(がくしゅう)」。過去にNHK英語講座を勉強したことのある私は、途中で挫折したことが多々ありましたが、久しぶりに挑戦した今回は3年半続けられました。その魅力をご紹介。
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上の記事にも記しましたが、「遠山顕の英会話楽習」は2021年10月末で終了するようです。
付属の赤シートで効果的な勉強(電子版には付属せず)
本書の紙書籍版には、赤シート(赤フィルター)が付属しています。
赤字の部分が消えるシートですね。
物語パートでは、後の単語帳で取り上げる英単語の部分が赤字に、単語帳パートでは、その意味が赤字で記されているので、効果的な学習ができそうです。
なお、本書は電子書籍も販売されています。
電子版には赤シートは付属していません。
終わりに
イラストも豊富で、物語も楽しみながら英単語も学習できる『ミステリ仕掛けの英単語』。
比較的簡単な英単語から、「これはミステリっぽい英単語だな」という単語まで幅広く収録されているので、通常の英語の学習にはもちろん、将来ミステリを原書で読まれたい方にとっての入門書としても、活用できそうです。