2022年3月、「高校生からはじめる『現代英語』」と「ニュースで英語術」という、英語ニュースを題材にして英語を学ぶ講座が相次いで最終回を迎えました。
ええ?! いつも楽しみにしていたのに…
と思われた皆さん。ご安心ください。
4月からは両講座の特色を引き継いで発展させた、パワフルな番組がスタートしました。
この記事では、その「ニュースで学ぶ『現代英語』」をご紹介します。
ニュースで学ぶ「現代英語」
2021年夏にパイロット版が放送
私はこれまで「ニュースで英語術」を聞いていました。
1日5分ながら、なかなか充実した内容でしたが、英語のレベルは高く、しかも2020年度から公式ウェブサイトの機能が縮小されたので、番組内容についていけなくなったこともしばしば(汗)
そんな2021年の秋頃、ふとNHK ゴガクのウェブサイトを確認すると、今の「ニュースで学ぶ『現代英語』」のパイロット版が放送(2回くらい?)され、期間限定で聴き逃し配信されていたことを、遅ればせながら知りました。
ネット上に公開されていた聴き逃し配信を聴いたところ、なかなか学習しやすい内容で好印象でしたが、それが満を持して、2022年度に新講座としてスタートです!
1週間5レッスン;2022年度の放送時間と出演者
放送時間、配信
NHKラジオ第2放送
本放送:月曜〜金曜 午前9:30〜9:45
再放送:月曜〜金曜 午後3:45〜4:00
日曜 午後10:00〜11:15(5回分)
インターネットラジオの配信サービス「らじる★らじる」(スマホアプリもあり)でも聴け、また聴き逃しサービスにも対応しています。
(本放送終了後、約1週間配信されるようです。)
「ニュースで学ぶ『現代英語』」聴き逃し|NHKラジオ らじる★らじる
月〜水はリスニングを鍛える
週の前半では、主にリスニングスキルを磨いていきます。
講師の先生は、米山明日香先生。
パートナーは、トム・ケインさん。(トムさんは昨年度まで、「太田光のつぶやき英語」の〈天の声〉もされていましたね。)
ナビゲーターは、秀島史香さんです。
昨年夏のパイロット版でも、このトリオで進行されていたと思いますが、ニュース内容を把握するためのリスニングクイズや、リスニングで内容を理解するときに重要なリスニングポイントの解説もあったりして、あっという間の15分です。
2022年12月19日の週(月〜金)は、綿谷エリナさんがナビゲーターを務められました。
木、金はスピーキング、ライティングも鍛える
週の後半では、話す力や書く力も伸ばしていきます。
講師の先生は、伊藤サム先生。
サム先生は、昨年度まで放送されていた「高校生からはじめる『現代英語』」を聴取されていた方なら、お馴染みですね。
本講座では、総合監修も務められています。
パートナーは、月〜水と同じくトム・ケインさん、ナビゲーターも秀島史香さんです。
木、金では、「高校生からはじめる『現代英語』」でも練習した「反訳トレーニング」、つまりニュースに出てきた英文を使って、日本語からもとの英語にできるようにトレーニングします。
2022年12月8、9日、12月15、16日は、伊藤サム先生はお休み。
米山明日香先生が出演され、発音をググッとレベルアップさせる練習方法が紹介されました。
英検で言えば「準1級〜1級」レベル
「NHK英語グランドデザイン」のレベル設定(以前の記事で引用したNHK英語講座レベル)で言えば、B2〜C1レベルに配置されるようです。
●B2:社会生活での幅広い話題について自然に会話ができ、明確かつ詳細に自分の意見を表現できる
「『NHK英語グランドデザイン』のレベル設定」より抜粋
●C1:広範で複雑な話題を理解して、目的に合った適切な言葉を使い、論理的な主張や議論を組み立てることができる
英検で言えば「準1級〜1級」のレベルのようです。
番組内容はインターネット上に掲載;誰でも閲覧できます
この講座には、紙のテキストはありません。
リアルタイムに近いスピードで最新のニュースを取り上げ、生のまま次々と学習する配信のような講座だからです。
したがって、テキストに相当する内容は誰でも見られるように、無料でインターネット上に掲載されています。
私の学習法
- ニュースの英文スクリプトは、本放送前に公式ウェブサイトに掲載されているので、放送聴取前にそれを予め読むのもいいかもしれません。
(私は、まず音で聴きたいので、今のところは読まずに放送を聴いています。) - 放送を聴く。
- 本放送終了後に、和文スクリプトや解説、ニュース動画などが公開されるので(動画は掲載されない場合もある)、それらを使って復習する。
ウェブサイトには、放送時には触れられなかった点についての詳細解説や、トムさんの音読などもあったりして、とても充実しています。
ニュース動画については、本放送終了後約1週間、配信されているようです。
ただ、2022年4月12日放送('DRIVE MY CAR' WINS BEST INTERNATIONAL FEATURE)や2022年4月28日放送('SHO-TIME' MAKES MORE HISTORY ON 2022 MLB OPENING DAY)などのように、映像権利の関係で動画は配信されない場合もあります。
毎回、放送の最後で紹介される〈お持ち帰りポイント〉Today's Takeaway。
Takeawayとは、もともと「持ち帰り」という意味ですが、2022年4月8日放送(COFFEE CHAINS CUT BACK ON PLASTIC)の学習ポイントにも記されているように、Today's Takeawayとは「今日のレッスンのうち、家に帰っても覚えておいていただきたいほど大切なポイント」。
少なくとも、これだけは毎日習得したいですね。
2022年8月29日〜9月2日の週のテーマは、「未来志向のテクノロジー」でした。
2023年1月16日〜20日の週のテーマは、「どうなる? 日本の食」でした。
「現代英語」とは世界で使える生きた英語
2022年4月7日放送(RUSSIA SUSPENDS PEACE TREATY TALKS WITH JAPAN)のToday's Takeawayによれば、「現代英語」とは「現代の世界に使われている英語」とのこと。
以下に、一部引用します。
英語は歴史の中でどんどん発展してきました。イギリス英語やアメリカ英語といった枠ではなく、いまや「世界の共通語」として広く使われるようになりました。国際的、文化的に広い視点を持つようになった豊かな言葉としての英語を学び、世界の人たちといろいろな話題について語り合えるようになりましょう、というのが番組の主旨です。
英語を理解するには学校で習った語彙や文法が基本になりますが、ニュースやインターネットをはじめ、世界で実際に使われている「現実の英語」は、いわば応用問題です。理解しにくい、謎のような表現もたくさん出てきます。そのような謎は、この番組を聞いていくと、どんどん解けていきます。英語の基礎を終えたすべての方々に、この番組をおすすめします。
https://www2.nhk.or.jp/gogaku/gendaieigo/detail/index.html?no=20220407
この番組を活用して、生きた英語を生き生きと学ぼう!
終わりに
「ニュースで学ぶ『現代英語』」は今年度から始まった英語講座ですが、これまでの「高校生からはじめる『現代英語』」と「ニュースで英語術」を〈いいとこ取り〉したパワフルな講座。
テキストはなく、それに相当する内容はインターネット上に無料掲載されており、放送も聴き逃し配信されているので、自分のペースで「現代英語」を学べそうです。