2021年11月より放送スタートの、NHKの連続テレビ小説(通称“朝ドラ”)「カムカムエヴリバディ」。
昭和・平成・令和の時代に、ラジオ講座と共に歩んだ三世代親子の物語で、ドラマの中では、3人の主人公がそれぞれ、ラジオの英語講座を聴く、という場面が登場するようです。
そんな朝ドラと連動したラジオ英語講座も、新たにスタートしました。それが、「ラジオで! カムカムエヴリバディ」です。
この記事では、その講座をご紹介していきます。
ラジオで! カムカムエヴリバディ
その前に。
連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の紹介
NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」
「カムカムエヴリバディ」は安子(やすこ)、るい、ひなたと、三世代の女性たちが紡いでいく100年のファミリー・ヒストリー。
初代ヒロインの安子は上白石萌音さん、安子の娘、二代目ヒロイン・るいは深津絵里さん、るいの娘、三代目ヒロイン・ひなたは川栄李奈さんが演じられるという、朝ドラ史上初めて、昭和から平成、そして令和へと続く三世代のヒロインが描かれる作品です。
脚本家は「ちりとてちん」の藤本有紀さん
NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」、NHK大河ドラマ「平清盛」、また、第34回向田邦子賞を受賞されたNHK木曜時代劇「ちかえもん」など、(たとえ放送当時の視聴率は低くても)その圧倒的な〈伏線回収力〉で、その作品に対する熱狂的なファンをじわりじわりと増やしていくことで定評のある、脚本家の藤本有紀さん。
「ちりとてちん」に続く、2度目の連続テレビ小説の脚本となる「カムカムエヴリバディ」は、
ラジオ英語講座と、あんこと野球とジャズと時代劇を題材に書き下ろすオリジナルストーリー
になるということで、どういうストーリーになるのか楽しみです。
主題歌はAIさんが歌う「アルデバラン」
「Story」や「ハピネス」など、その歌唱力には定評のあるAI(あい)さんが歌われる、森山直太朗さん作詞作曲の「アルデバラン」。
「アルデバラン」(Aldebaran)とは牡牛座の一等星のことで、“後に続くもの”という意味を持つようです。
〈AI Information〉Information Link
〈TAP|Take Action for Peace〉AIと一緒に平和のために「何が」出来るのかを考えるメディア
番組タイトル「カムカムエヴリバディ」の由来
1946年に放送が開始されたNHKラジオ英語講座「英語会話」・通称「カムカム英語」のオープニング曲のタイトルです。
「証誠寺(しょうじょうじ)の狸囃子(たぬきばやし)」のメロディーに、番組の人気講師であった平川唯一(ひらかわ・ただいち)さんが英語の歌詞をつけ、"Come, come, everybody…"と番組の冒頭で流れ、終戦直後の日本に一大英語ブームを巻き起こしたそうです。
連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」では、さだまさしさんが平川唯一さんを演じられるとのこと。
「ラジオで! カムカムエヴリバディ」のパーソナリティ
講師はラジオ英語会話の“レジェンド”のお一人、大杉正明先生
それでは、本題の「ラジオで! カムカムエヴリバディ」の紹介です。
講師は、1987年から11年間、NHKラジオ「英語会話」→「英会話」の講師を務められ、その後もNHKの語学番組などに多数出演されている大杉正明先生。
私も、ラジオ「英会話」では大変お世話になりました。
(ずいぶん前に、私の別ブログにてその事を記したことがあります。)
https://yuseum.blog.ss-blog.jp/2004-12-25-7
MCはAIさんと天野ひろゆきさん=ドラマ視聴者の代表
そして、MCは主題歌のところでご紹介したAIさんと、キャイ〜ンの天野ひろゆきさんが務められます。
天野さんは“英語がそんなに得意でない”代表、ということで、このお二人が“ドラマの視聴者”の目線でお話ししてくれることで、普段は英語に触れる機会の少ない人も楽しめる内容になっている、とのことです。
「朝ドラ受け」もあるから、その日のドラマを見てからラジオを聴こう!
天野さんは、2022年度からテレビ講座「大西泰斗の英会話☆定番レシピ」に出演。引き続き英語を学習されるようです。
「英語で何かを語る」パートと、ドラマで流れる英語講座を紹介するパート
では、この英語講座「ラジオで! カムカムエヴリバディ」では、何を学ぶのでしょうか。
NHKの英語講座は通常、レベル設定がありますが、この講座にはそれがありません。
比較的簡単な内容から、ちょっと難しめの内容まで幅広く学べるのでしょう。
ドラマを楽しみながら英語力をみがくわけですが、テキスト11月号には、日本放送協会や大杉正明先生がこの番組の特徴を記されていたので、それを引用しましょう。
1つの特徴は、「“朝ドラ”について英語で説明する」あるいは「その日のストーリーについて英語で話す」という、「英語で何かを語る」パート。
- ドラマの内容を英語で説明する練習をします。
- ドラマの内容に関連した日本の物事を英語で説明する練習をします。日本文化を英語で紹介するのに役立つでしょう。
もう一つは、「戦前から現代に至るラジオ講座を取り上げ、英語表現と英語教育の歴史についても紹介する」パート。
- ドラマの中で主人公が取り組む英語講座を取り上げて、解説します。
- ドラマで使われる英語の歌を取り上げて歌詞の解説をします。
- ドラマと関連した社会背景、音楽・ファッションなどの文化情報を説明します。
- 戦前から戦中を経て戦後へと継承されてきたNHKの英語講座の変遷にも触れます。
- 英語講座で使われてきた英語について、イギリス英語とアメリカ英語の相違点も解説します。
テキストでは英語について、日本語訳や語法解説が詳しく掲載されています。
11月号のテキストを読んでみたところ、レッスンの前半は「英語で言ってみよう!」パート、後半はドラマの主人公が学んだ英語を聴いてみたり、名曲を味わったり、……、第1週ではAIさんが歌う主題歌「アルデバラン」の歌詞を英語で表現したりもするようです。
ドラマ第1週のキーワード「キュウリ」。このとき安子が学んでいた英語は、11月8日(月)放送の「ラジオで! カムカムエヴリバディ」で!
安子と稔を結びつける大切な曲、ルイ・アームストロングの"On the Sunny Side of the Street"の歌詞の解説は、11月22日(月)の週で放送されるこの番組で!
12月6日(月)の週では、上白石萌音さんが「生徒として特別出演」! ドラマで展開された安子と稔の英会話シーンを練習しました。
12月からは、いよいよ「カムカム英語」が登場! 平川唯一先生の「英語会話」が再現されるようです。
るいが読んでいたO・ヘンリー作「善女のパン」Witches' Leaves。1月3日(月)の週では、この要約版を3回にわたって鑑賞します。
O・ヘンリーについては、こちらの記事もご参照。
1月10日(月)の週より、ロバート役の村雨辰剛さんとドラマの英会話シーンを練習するスペシャル・コーナーが登場予定。
はたしてAIさんと仲良くできるのか(笑)
1月は、松本亨先生担当のラジオ講座「英語会話」が登場します。「カムカム英語」を引き継ぎ、その後21年の長きにわたり担当されたとのこと。昭和のラジオ講座で英語を学ぼう!
2月は、東後勝明先生のラジオ「英語会話」が登場。(1972年から1985年9月まで番組講師をご担当。)
ドラマ本編でも、ひなたが東後先生のラジオ英語講座を学ぶようですよ。
2月14日(月)の週では、朝ドラを盛り上げる城田優さんの英語ナレーションを振り返るようです。
放送時間とテキスト:「らじる★らじる」の聴き逃しサービスにも対応
NHKラジオ第2放送
本放送:月曜〜水曜 午前10:30〜10:45(1週間3レッスン)
土曜 午前8:15〜8:35(ダイジェスト放送)
再放送:月曜〜水曜 午後3:45〜4:00
土曜 午後9:00〜9:45(月〜水の再放送)
放送時間帯は、「遠山顕の英会話楽習」の後継番組です。
1週間3レッスンは挫折しにくいので、英語の苦手な方にもうってつけではないでしょうか。
また、土曜日にダイジェスト放送があるのは、この英語講座らしいですね。
これは、NHK総合で土曜日の午前8時から8時15分まで、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の一週間振り返り放送があるため、それに合わせたものと推察されます。
また、NHKラジオ「らじる★らじる」で、放送と同時にパソコン・スマートフォンからインターネットでも聴けます。
(ただし、著作権の関係でネットで聴けない場合もある模様。)
さらに、本放送は「らじる★らじる」の聴き逃しサービスにも対応しており、初放送後の翌週末まで配信されているようです。
(なお、土曜日のダイジェスト版は聴き逃しに対応していない、とのこと。)
聴き逃し「ラジオで!カムカムエヴリバディ」|NHKラジオ らじる★らじる
最終月(3月)は大杉正明先生の「英語会話」→「英会話」が登場!
最終月の3月号では、いよいよ大杉先生のNHKラジオ「英語会話」→「英会話」が取り上げられます。
懐かしい〜!!
3月7日(月)の週では、大杉先生がラジオ「英語会話」の講師を務められた最初の年、1987年度のスキットが紹介されます。
この年度は、確かまだ私は「続基礎英語」を聴講していた時代だったと思います。
その後に放送されていた「英語会話」は、ほとんど聞き取れませんでしたが、主人公が私の名前と同じだったということもあり、時々、興味津々に聞いていたのを思い出します。
3月14日(月)の週では、ラジオ「英会話」の1993年度のスキットが紹介されます。
Route 66!
この頃はテキスト片手に、大杉先生の「英会話」を聴講しており、ナット・キング・コールの名曲"Route 66"は、この講座で覚えました。
「ラジオで!カムカムエヴリバディ」のテキストには、この"Route 66"の歌詞も掲載されています。
3月21日(月)の週では、大杉先生がラジオ「英会話」の講師を務められた最後の年、1997年度のスキットが紹介されます。
この年度のスキットはニューヨークが舞台で、放送当時、そこで描かれた人間模様は「大人の内容」と話題になり、新聞、雑誌から民放のテレビまで取り上げられたほどでした。
その後、この年度のストーリーは1冊の本にまとまりました。(CD付き。)
さすがに今では絶版ですが、中古本なら入手できそうです。
ただし、安い中古本はCDが欠損していることが多いようなので、ご注意を。
私は決して真面目なリスナーではなく、大杉先生の講座もカセットに録音しては、未聴講の分が貯まってリセットし直すことが多かったのですが(汗)、先生の「英語会話」→「英会話」で勉強できたのは幸せでした。
そして、こうして「ラジオで!カムカムエヴリバディ」を聴講できるのも幸せです。
3月28日(月)の週では、「ヒロイン3人のセリフで英語を学ぼう」ということで、「安子」、「るい」、「ひなた」が発した英語のセリフを取り上げ、それらを大杉先生のスキットを通してみていくようです。
あの「るい」の名言(?)"I hate …"や、「ひなた」の大チョンボw "I'm expecting."も出てくるようですよ。
3月28日(月)からの最終週では、川栄李奈さんがサプライズゲスト!
土曜日のダイジェスト放送は本放送未公開の内容も放送!
土曜日のダイジェスト放送は、本放送の「英語で言ってみよう!」3回分を、未公開の内容も織り交ぜながら振り返っていくというもの。
意外に未公開の分が多く(笑いも増量w)、天野さんやAIさんが実際に英語で言ってみるコーナーもあって、「ラジオで! カムカムエヴリバディ」の本放送を聞いた方も必聴です‼
なお、このダイジェスト版は、「らじる★らじる」の聴き逃しサービスには対応していないので注意。WindowsやMacをお使いの方は下にご紹介するソフトを使ってもいいのかもしれません。
まとめに代えて:ドラマを楽しみながら英語力もみがこう
NHKの連続テレビ小説とラジオ英語講座が連動するのも初めてだと思われるので、どちらもどういう番組になるのか興味津々です。
ドラマも楽しみながら、総合的な英語力もみがけるといいかな。
朝ドラ最終日の4/8(金)より、講座が1回限りで復活!→公開終了
「ラジオで! カムカムエヴリバディ」の本放送は3/30(水)で終わりましたが、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」は4/8(金)まで。
その最終回に、大杉先生がマーシャ・クラッカワー先生とともに、ついにドラマ本編に(声で)出演されていましたね。
ひなた編で、遠山先生は「英会話入門」のテキストとともに声の出演をされていましたが、「ラジオで! カムカムエヴリバディ」をご担当されている大杉先生は?と、やきもきされていた方も多かったのでは?
その朝ドラ終了日に、「ラジオで! カムカムエヴリバディ」のスペシャルコンテンツが公開されました!
「『ラジオで! カムカムエヴリバディ』復活スペシャル」は、NHKのどーがレージやYouTubeで聴けます。
→公開終了
[カムカムエヴリバディ]「ラジオで! カムカムエヴリバディ」復活スペシャル 天野ひろゆき×AI×大杉正明
(どーがレージ)前編、後編 、(YouTube)前編、後編
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