2020年10月の最終週に、興味深い特集番組がNHKラジオ第2で集中放送されました。
その放送内容は期間限定でストリーミング配信されているので、ここに紹介します。
「英語で読み解く現代社会」ホームページとテキスト
現代社会を英語で読み解くための力を総合的に養うことを目指した、1日15分の番組(5日間)です。
公式ホームページは以下にありましたが、2020年12月21日9:30までの期間限定公開です。
英語で読み解く現代社会|NHKゴガク
こんな方におすすめ
- ビジネス英語をステップアップさせたい方
- 海外のビジネスパーソンとの知的な会話に必要な教養を身につけたい方
ラジオでの放送は終了しましたが、放送内容は公式ホームページでストリーミングできます。
また、番組内容は「入門ビジネス英語」テキスト11月号に掲載されています。
なかなか学びがいのある内容だったので、テキストもあった方がよいと思いました。
テキストの販売は終了しました。
「英語で読み解く現代社会」放送内容
Days 1, 2:インタビュー「アメリカ人記者が見た現代社会」
ウォール・ストリート・ジャーナル東京支局長、ピーター・ランダースさんのインタビューです。
聞き手は元NHK記者で国際ジャーナリストの大村朋子さん。
Day 1では、新型コロナウイルスの日本社会への影響をどう見ているかや、実践している外国語の習得法などについて聞いていきます。
Day 2では、新聞の発行部数の世界的な減少や、SNSの普及などメディアを取り巻く環境が急激に変化する中、ウォール・ストリート・ジャーナルがどのように生き残りを図ろうとしているか、その役割などについて聞いていきます。
インタビューの内容はテキストにも掲載されています。
Days 3, 4:ハンス・ロスリングほか著「FACTFULNESS」を英語で読む
オバマ元大統領やビル・ゲイツ氏が絶賛し、日本でもベストセラーになっているビジネス書「FACTFULNESS」。
邦訳は下に示しましたが、Day 3ではこれを英語の原書で読んでいきます。
講師は「ヘミングウェイで学ぶ英文法」(共著、アスク出版)でおなじみ、杏林大学教授の倉林秀男さん、パートナーは光岡ディオンさんです。
取り上げられるのは、著者の説く「データに基づいて世界を正しく見る重要性」が端的に表れている原書の第1章。
シンプルな英語で書かれているため、「洋書はちょっと…」という方でも無理なく読み進められる部分で、テキストにも掲載されています。
【ビジネス書大賞2020 大賞受賞作】FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 日経BP
Day 4は、この「FACTFULNESS」日本語版翻訳者の1人で、アメリカ・シリコンバレーで活躍するIT技術者、上杉周作さんのインタビュー。
「FACTFULNESS」に書かれている考え方を、実際のビジネスにどう生かしていけばいいかなどについて聞いていきます。
番組ディレクターが日本語で質問し、上杉さんには英語でお答えいただく「バイリンガル形式」で進められているので、英語の聞き取りがしやすくなっています。
(テキストには、インタビュー内容の掲載はありません。)
Day 5:小泉八雲「コレラ流行期に」を英語で読む
明治27年に執筆された、小泉八雲「コレラ流行期に」(Lafcadio Hearn "IN CHOLERA-TIME")を英語の原文で精読します。
講師はDay 3と同じく倉林秀男さんで、パートナーは光岡ディオンさんです。
英字新聞の記者として神戸に移り住んだ小泉八雲が、コレラが流行していた19世紀末の日本社会をつぶさに見て描いた文章は、新型コロナウイルスの根絶を目指している現代社会の私たちにも大きな示唆を与えてくれるはずです。
今ではあまり使われない言葉もありますが、テキストにも文章が掲載されており、コロナ禍の今の社会との対比を意識しながら、丁寧に読んでいきます。
終わりに
私は、たまたまこの放送を知ったので、最初に放送を聴取したときはテキストなしだったのですが、なかなか充実した内容だったので、後からテキストを購入しました。
幸い、2020年12月21日9:30まではストリーミングが掲載されていますので、今度はテキストで確認しながら聴取したいと思います。