お知らせ
このブログ記事は、2018年9月7日に私の別ブログ「レストカフェ-ゆーじあむ」に掲載した記事をこちらのブログへ移し、補筆改訂したものです。
私は痔を少し患っていて、10年ほど前に内痔核の手術を行ったのですが、2年前にも血栓性外痔核を患ったりするなど、今でも時々ムズムズすることがあります。
先日も、排便時に少し出血があり痛みもあったので、肛門科の病院に久しぶりに行ったところ、痔については少し内痔核があったものの、さほど重症ではありませんでした。(実際、薬(軟膏)で緩和しました。)
そのときの話。
お医者さん:ゆーじあむさんは大腸内視鏡検査を受けたことはある?
私:はあ。15年前くらいに一度…
お医者さん:では、40歳を過ぎているから、大腸内視鏡検査を受けておいた方がいいよ。
・・・ということで、しばらく検討してから大腸内視鏡検査を受けてみることにしました。
<注意ポイント>
これは私の体験記事なので、実際に皆様が検査を受けるときは病院の指示に従いましょう。
どうして大腸検査が必要なの?
増え続ける大腸がんの早期発見・治療が大切だからです。
日本における大腸がん(結腸がん、直腸がん)は増え続けており、2015年の大腸がんによる死亡者は49,699人で、全がんのうち女性では1位、男性では3位とのこと。
(厚生労働省「人口動態調査 平成27年」より)
大腸がんは自覚症状のない早期に発見・治療すると、ほぼ100%の人が完治するといわれています。
便通異常や腹痛、血便のような症状が現れたときには、すでにがんが大きく成長していることがあるので、
お医者さん:がん危険年齢の40歳を過ぎたら、症状がなくても大腸がん検診を受けましょう。
とのことでした。
私の場合、年1回の定期健診で検便(便潜血検査)の結果は陰性ではありましたが、痔による出血症状があるので、診てもらうことにしました。
まず病院に電話予約
私:大腸の内視鏡検査を受けたいのですが。
病院:胃の内視鏡検査も同時に受けられますよ。
私:えっ?! そうですか。それでは、そちらもお願いします。
胃については、年1回の定期健診にてバリウム検査を受けたばかりで、特に問題はなかったのですが、7〜8年前にひどい逆流性食道炎を患ったことと、胃の内視鏡検査(胃カメラ)は数年前に検査を受けて以来だったので、そちらもお願いしました。
検査前日からの食事制限に注意!
胃カメラであれば、前日の夕食以後に何も食べなければいいのですが、大腸内視鏡検査(大腸カメラ、大腸スコープ)では、検査前日の朝(場合によっては検査2日前)から食事制限をする必要があります。
大腸の中を空っぽにする必要があるので、消化の悪い食べ物は厳禁です。
ダイエットなどで食物繊維の多い食べ物を薦められることがありますが、それらはNGのようです。
特に海藻類やきのこ類は消化に悪いので、検査2日前から控えた方がいいかもしれません。
では、どんな食べ物を検査前日に食べてOKかというと、
ただ、夕食はこの中でも特に消化の良いものを食べて、食事を早い時間(午後7時くらいまで)に済ませるようにとのことでした。
寝る前に下剤が処方されることもありますが、私の場合は病院が遠方であったため、それは飲みませんでした。
検査当日の朝は絶食。水分はOK
常備薬がある場合は予め相談
私の場合、常備薬と水分(お茶も含む)はOKでした。
それ以外は口に入れてはいけません。
自分で車を運転することは原則禁止
検査の時に眠くなる薬が処方されるので、通院する際は公共交通機関やタクシーを使うか、車の送り迎えをお願いしましょう。
あとは、念のために上着の着替えを持ってきてください、とのことでした。
大腸内をきれいにするために1.8Lの水薬を飲む
大腸カメラといえば、大腸内をきれいにするために「腸管洗浄剤」と呼ばれる約2リットルの水薬を飲むわけですが、これが、
私:美味しくない・・・いや、気分が悪くなるほど不味い!
というのが、15年前の印象でした。
今回、朝9時前に病院に着いたら、トイレ付きの個室に通され、同意書に署名しました。
そして、吐き気を防ぐためにメトクロプラミド(先発商品名:プリンペラン)を飲んだ後に、処方されたのは1.8リットルのマグコロールP(商品名)。
これを約5分間隔でコップ一杯ずつ、ゆっくりと約1時間かけて飲むように、とのことでした。
に説明があるとおり、マグコロールは他の腸管洗浄剤に比べてやや効果は劣りますが、味がスポーツドリンクに似ているので、比較的飲みやすかったです。
当日は夏真っ盛りだったので、ゴクゴク飲みたいところでしたが、指示通りゆっくり飲みました。
なお、診療費明細書を後で確認したら、この水薬の中にピコスルファートナトリウム内用液0.75%(先発商品名:ラキソベロン内用液0.75%)が含まれていたようです。これも下剤です。
マグコロールP(主成分:クエン酸マグネシウム)が浸透圧性下剤の中の塩類下剤に分類され、ピコスルファートナトリウムは(大腸)刺激性下剤に分類されます。
水薬を飲み始めて約1時間後→水様便がどんどん出てきた!
マグコロールを飲み始めてから30分〜1時間後にトイレに行きたくなる、という説明を受けましたが、午前10時を過ぎてからようやく便意を催すようになりました。
始めは、いわゆるウンチ色をした水様便が、5〜6回トイレで出せば薄黄色〜白色になってくるから、
看護師さん:その頃になったら看護師に見せてください。
と言われたので、6回目に看護師さんを呼んだのですが、
看護師さん:うーん。あともう2回くらいですね。
と言われ、8回目にまた看護師さんを呼びましたが、
看護師さん:うーん。あと1回ですね。
ということで、そのうち水様便の量も少なくなってきて。。。
私:これで大丈夫なの?
と心配になりましたが、10回目でなんとかOKをもらいました。
やはり、マグコロールは効果がやや弱めなのかもしれません。(15年前に検査を行ったときの印象では、もっとすごい勢いで水様便が出ていた印象。)
いよいよ検査開始!
まずは胃カメラから
今回、上のイラストにあるように、口から(経口内視鏡)ではなく、鼻から胃カメラ(経鼻内視鏡)を初めてお願いしました。(口からよりも鼻からの方が苦しくない、と聞いていたので。)
鼻から挿入することが困難であれば、口からの挿入に切り替えると説明を受けました。
検査着(お尻に穴のあいたパンツ)に履き替えた後、午後0時30 分頃に検査室に連れて行かれ、消泡剤(ジメチコンシロップ;先発商品名:ガスコンドロップ内用液)の入った水を飲んで胃の中をきれいにし、喉に麻酔スプレー(キシロカインスプレー8% あるいは リドカインポンプスプレー8%「日新」)をしてもらい、飲み込みました。
その後、検査台の上で左側を下にして横向きに寝ました。
お医者さん:鎮静剤を使用するので、点滴しますよ。
と言われてから、しばらく待ちました。
診療費明細書で後から確認したところ、鎮静剤はジアゼパム(先発商品名:ホリゾン、セルシン)でした。
通院前に、
「検査の時に眠くなる薬が処方されるので…」
と言われたのは、これのことですね。
また、点滴で胃の動きを抑える薬(ブチルスコポラミン臭化物;先発商品名:ブスコパン)も注入されていたようです。
その後は記憶が曖昧なのですが、プリビナ液と呼ばれる血管収縮剤を鼻に噴霧して鼻の通りを良くし、しばらくしてから鼻に内視鏡を挿入したようです。
私:・・・おえっ!!
口からの胃カメラより苦しくないと耳にしていましたが、嘔吐反射はありました。
鎮静剤が注入されていても、喉の付近は気持ち悪さがありましたが、鎮静剤がないともっと苦しかったのかな。。。
次に大腸カメラ
15年前に検査を受けたときは、カメラが動く度になんとなく痛みや気持ち悪さを感じた記憶がありましたが、今回は、胃カメラの苦しさに比べれば、全然苦になりませんでした。
私:むしろ、なんか気持ちがいい。。。
先生の腕が良かったのでしょう。
胃カメラの時もそうでしたが、内視鏡の滑りを良くするために、局所麻酔薬を含む潤滑のゼリー(リドカイン塩酸塩ゼリー;先発商品名:キシロカインゼリー)が使われていたようですね。
検査も無事に終了し、元の個室に運ばれたときは午後1時30分頃。約1時間、検査室の中にいたのでした。
今回の検査結果
普段、強い睡眠薬を服用しているためか、眠気はほとんどなかったので、早速先生に検査結果を伺いました。
Clker-Free-Vector-Images / Pixabay
胃カメラの検査結果と逆流性食道炎
①食道:ゆるみあり。
②胃(大弯)
③胃(小弯)
④胃(幽門)
過去に逆流性食道炎を患ったことがありました。
それから現在まで、「プロトンポンプ阻害剤」と呼ばれる胃酸の分泌を抑える薬を服用していたため、食道の炎症は改善していましたが、食道裂孔ヘルニアがあることで食道のしめつけ機能がゆるんでいるため、胃酸の逆流・停滞による逆流性食道炎の再発が懸念されます。
今の薬を継続するとともに、胸やけを防ぐために日常生活において、
食生活のこころがけ
- 急がずに、ゆっくり食べる
- 食べ過ぎないで、腹8分目
- 就寝前の食事は避ける
- 脂肪の多い食品・胃酸の分泌を促す食品を避ける
生活習慣のこころがけ
- 食後すぐに横にならない
- お腹を強く締め付けない
- 腰を伸ばす(前かがみの姿勢では胃酸が逆流しやすい)
- 肥満や便秘を改善する
- ストレスを解消
- 禁煙する(喫煙は噴門をゆるめることになる)
- 枕を高くする
などに注意する必要があります。(私はタバコは吸いませんが。)
胃の他の部分は問題ありませんでした。
大腸カメラの検査結果
⑤盲腸
⑥横行結腸
⑦S状結腸
⑧直腸
大腸がんは、発生部位別に見ると⑦S状結腸と⑧直腸にできるものが多くを占めるようです。
大腸癌研究会「全国大腸がん登録調査報告」より
今回、私の結果はいずれも「異常なし」でした。良かったです。
お医者さん:次の大腸内視鏡検査は、3年後に受けましょう。
気になる検査費用は・・・
病院によっても違うとは思いますが、私の場合は健康保険適用の3割負担で、だいたい1万円弱でした。(その中に、保険適用外の機材使用等の金額が数百円含まれていました。)
大腸内視鏡検査が10に対して、胃内視鏡検査が7くらいの割合でした。
検査後
当日の夜は、下剤の影響がまだ残っていたのか、ややお腹が緩い印象がありましたが、翌日はもう何ともありませんでした。
まとめ
便が細くなったり、血便や便秘、また便秘と下痢を繰り返すような症状がある場合は、すぐに大腸内視鏡検査を受けましょう。
また、胃検査や便潜血検査は毎年受けましょう。
がん危険年齢の40歳を過ぎたら、症状がなくても大腸がん検診を受けましょう。
参考資料
- 「あなたの大切な大腸のために おなかの中を診てみませんか?」監修:大腸疾患研究会
- 「治療と症状改善のために 逆流性食道炎」監修:北里大学 名誉教授 西元寺 克禮